さよなら、おねえのり

 

 

とんでもないことになってしまいました!

流星群に興奮したおねえのりが、うっかり窓から宇宙へと飛び出してしまったのです。

 

どうやら彼女はキラキラと光る『金平糖』のようにきれいな流れ星に夢中になりすぎて

力が入ってしまい、気がつけば、宇宙空間をくるくると移動していたのです。

 

おねえのりたち『かたのり族』は、見える人にしか見えない不思議な生き物。

半透明だったり、しっかり見えていたり、見えなかったり、その正体はまだ解明されていません。

どうやら、かたのり族自身も強く念じればものを持ったり触ったりできるらしいのですが、

基本重いドアなどは一人で開けることができないのです。

 

ところが壁や窓などは、力を込めすぎると通り抜けてしまうという性質があり、

かたのり族自身も注意が必要なのです。

 

(力を入れすぎるとダメだって、すっかり忘れていたわ・・・。金平糖を触りたくて思わず力が入っちゃったのね)

回りながらおねえのりは意外と冷静に分析していました。

 

とはいえ、宇宙でふわりと浮かんだ体をどうすることも出来ません。

とうとうおねえのりはロケットから徐々に離れていき、宇宙を彷徨い出しました。

 

さすがにこの状況に焦りだしたおねえのり。

 

「Zさま〜!」

 

おねえのりのその叫び声は、もちろんイヌメンZに届くことはありません。

イヌメンZが自分を認識してくれていなかったことなんて、もちろんわかっていたおねえのり。

この声が届かないことも知っているはずなのに、彼女はずっと彼の名前を叫び続けました。

 

そして叫ぶのも疲れてきた頃、あのロケットの中で、イヌメンZがまた孤独に震えなければいいなと思いました。

見えなくても自分がいた時と、まったく誰もいない時はきっと違うはずだから。

 

こうしておねえのりはポップスター号から遠ざかり、見えなくなってしまいました。

おねえのりは宇宙の塵となってしまうのでしょうか・・・?

 

 

 

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